電子部品メーカー 経理部門勤務
T.H.様(Advancedに合格)
―――財務報告実務検定を受験したきっかけについて教えてください。
これまで経理を16年ほど経験しているのですが、新卒で入社した電器メーカー時代の12年間は、事業部や子会社の経理であったため、経営管理、原価管理を中心とした管理会計が主であり、財務報告にはあまり関心も知識もありませんでした。
その後、転職し、電子部品メーカーの本社経理にて決算全般および財務報告実務を担当、金商法に関するものを中心に、検討、作成、提出の全般を行っていますが、実務とは違った面からの知識や技術の確認と習得のため、財務報告に関する検定としては唯一であった当検定を受けてみようと思いました。
会計処理方法や統制活動に関する試験、検定は多々存在しますが、財務報告自体の知識や技術は、それらとはまた違ったものが必要です。当検定を受験することにより、自分の財務報告の知識や技術を再確認できただけでなく、不十分である部分にも気づくことができました。
また、今後、IFRSの導入が進み、会計処理方法だけでなく、財務報告で要求される内容も大きく変わることと思いますので、当検定の受験が、事前対応として現状確認の一助になればと思いました。
―――財務報告実務検定の受験にあたり、どのような準備をしましたか?
当検定を受験するに当たり、公式テキストと公式問題集に取り組みました。ただ、問題集だけでは、主だった問題と解答しかなく、量として不十分です。問題集は問題の傾向を捉えて慣れる程度に抑え、テキストの読み込みを重点的に行いました。テキストの読み込みに際して、テキスト付属の記載例や実際に開示されている事例を参照し、表示内容を視覚的に学習しました。また、各資料間の記載内容の相違にも注意をはらいました。
―――財務報告実務検定を受験してよかったことは何ですか?
まずは、財務報告に関する知識や技術を、実務とは違った面から確認できたことだと思います。同時に、不十分である部分について気づくことができました。
実務においては、変更点も多く、作成に追われがちであるため、会社の状況の変化や制度の変更があった部分について、印刷会社および監査法人等の記載例やセミナー等でその対応を重点的に図るものの、変更がないまたは重要性がない部分については深く追及できていない部分があります。ましてや直接担当しないものについての知識はあいまいです。当検定の受験によって、財務報告全般に渡って、改めて確認や発見ができたことは、適正な開示を行っていくことに非常に有意義であったと思います。
また、当検定の受験やフォローアップによって、今後のIFRSの導入も含め、財務報告における制度の改正や変更に主体的に対応していく手段のひとつを得ることができることもよかったと思います。
―――財務報告実務検定の社内外での活用法について教えてください。
上場会社の本社で財務報告を担当する人は、決算の適正化や早期化のためにも、実務とは違う面からの知識や技術の確認と習得として受けるべきと思います。財務報告を直接担当しない人や、上場会社の子会社等でも、決算等の結果がどのように財務報告に記載されるのかを知ることは、それに沿った情報の収集や資料の作成において大いに役立つと思います。また、非上場の経理においても、他社の財務状態の研究等を行うこともあり、財務報告に何があるかの整理になると思います。
いずれにせよ、当検定は、公に開示されている財務報告に主体的に関わる糸口になるものと思います。
―――これから受験を考える方にメッセージを。
CBT方式で受験日も選ぶことができ、また選択問題が主であるため気楽に受験できました。しかしながら、実際の試験では、詳細な部分も問われる、各資料間の横断的な問題がある、正誤の数を問われるといった正確な知識を要することが多く、試験時間もぎりぎりであったため、難しい試験であると感じました。十分なスコアを獲るには、かなりの学習を要するものと思います。