■財務報告実務検定の現行法令対応化について
財務報告実務検定の試験問題及びテキスト類が「現行法令等」に対応することになりました。これにより、今後は、受験時点現在の実務において原則適用となっている法令等で財務報告実務検定を学習・受験することができるようになります。
これまで財務報告実務検定は、試験問題やテキスト類をアップデートする時間を確保する必要性から、試験年度の1年前の3月期において原則適用となっている法令等を出題範囲としてきました。例えば現在実施中の財務報告実務検定では、2013年3月期を基準期(四半期報告書及び四半期決算短信については2013年3月期第2四半期を基準期)として、当該基準期において原則適用となっている法令等を出題範囲としていました(早期適用については出題範囲外)。
一方、受験者からは、現在の実務で使っている法令等で学習・受験したいとのご要望を数多くいただいておりました。そこで、2014年12月1日から、テキスト類を電子化&オンデマンドで製本化する仕組みを導入することで、試験問題及びテキスト類を現行法令等に対応させることといたしました。今後は、財務報告実務検定の受験勉強で学習したことを、そのまま現在の実務に活かしていただくことができます。
新試験(2014年12月1日以降開始)では、3月末決算の東証上場会社を前提として、「受験日当日が含まれる事業年度」(以下、「受験事業年度」)の財務報告に原則適用となる法令等が出題範囲となります(早期適用については出題範囲外)。また、四半期の財務報告についても、受験事業年度の四半期に原則適用となる法令等が出題範囲となります(早期適用については出題範囲外)。
例えば、2014年12月1日から2015年3月31日までの期間に受験する場合、3月末決算の会社において当該受験日が含まれる事業年度は2015年3月末を決算日とする事業年度であることから、その事業年度において原則適用となる法令等が出題範囲となります(試験対象基準期は2015年3月期となります)。また、四半期の財務報告についても、2015年3月末を決算日とする事業年度の四半期の財務報告に原則適用される法令等が出題範囲となります。一方、2015年4月1日から2016年3月31日までの期間に受験する場合、3月末決算の会社において当該受験日が含まれる事業年度は2016年3月末を決算日とする事業年度であることから、その事業年度において原則適用となる法令等が出題範囲となります(試験対象基準期は2016年3月期となります)。また、四半期の財務報告についても、2016年3月末を決算日とする事業年度の四半期の財務報告に原則適用される法令等が出題範囲となります。
試験対象基準期 |
受験可能日 |
試験対象法令等 |
2015年3月期 |
2014年12月1日から 2015年3月31日まで |
3月末決算の東証上場会社を前提として、2015年3月末を決算日とする事業年度において原則適用となる法令等(四半期の試験対象基準期も同様) |
2016年3月期 |
2015年4月1日から 2016年3月31日まで |
3月末決算の東証上場会社を前提として、2016年3月末を決算日とする事業年度において原則適用となる法令等(四半期の試験対象基準期も同様) |
今後、法令等の改正があった場合には、その都度、原則適用の施行日より試験問題及びテキスト類がアップデートされます。
■テキスト類の改訂について
以下の書籍については、現行法令に対応した改訂版を順次出版いたします。財務報告実務検定の公式サイトよりお買い求めいただけます(こちらをクリックしてください。なお、書店やアマゾンドットコム等では販売いたしません)。いずれの書籍も、電子版(PDF)、製本版のいずれかをお選びいただけます。■2014年12月1日より開始する新しい試験制度における財務報告実務検定の試験範囲の改訂について
新試験制度に対応した財務報告実務検定公式テキストは2014年11月1日に刊行しました(さらに★2への対応のため11月29日に改訂しております)。 今回の更新内容は主に次の通りです。なお、★は新版で新設または大きく改訂される主要箇所です。試験科目 | 項目 | 主な出題内容 |
財務報告概論 | ディスクロージャーの目的・分類・効果 | 総論、ディスクロージャーの分類、財務報告の範囲と開示プロセス、会計制度改革とディスクロージャー制度 |
ディスクロージャーの体制と年間スケジュール | 総論、年間スケジュール、本決算スケジュール | |
財務報告基礎データの収集 | 決算・財務報告業務開始前に確認しておくべきデータ、データ収集のツールとしての連結パッケージ、有価証券報告書の各開示項目に必要なデータの概要、財務報告基礎データの収集体制の整備、他社事例の収集等 | |
財務報告に係る内部統制 | 総論、財務報告に係る内部統制の評価・報告の流れ、決算・財務報告プロセス等に係る内部統制構築上の留意点 | |
金融商品取引法 | 総論、有価証券届出書、有価証券報告書、四半期報告書、内部統制報告書、その他の開示書類、電子開示実務★1 | |
適時開示 | 総論、決算短信★2、四半期決算短信、決定事実・発生事実、不適正な適時開示に対する措置★3 | |
会社法 | 各事業年度において作成が必要となる財務情報等、会社の計算等に関する会社役員の責任 | |
その他 | その他の提出書類等、IRと任意開示 | |
財務報告各論 (金融商品取引法) |
有価証券報告書 ★4,5,6,7,8 |
開示府令・財規・連結財規における規定内容、各数値の計算方法・整合性、表示に関する計算問題 |
四半期報告書 | 開示府令・四半期財規・四半期連結財規における規定内容、有価証券報告書との相違、各数値の計算方法・整合性、表示に関する計算問題 | |
内部統制報告書 | 内部統制府令の規定内容、財務報告に係る内部統制基準・実施基準の規定内容 | |
財務報告各論 (適時開示) |
決算短信 | 取引所規則における規定内容、有価証券報告書との相違、各数値の計算方法・整合性、表示に関する計算問題 |
四半期決算短信 | 取引所規則における規定内容、四半期報告書との相違、各数値の計算方法・整合性、表示に関する計算問題 | |
その他の適時開示等 | 決定事実・発生事実・コーポレート・ガバナンス報告書に関する取引所規則における規定内容 | |
財務報告各論 (会社法) |
招集通知 (狭義) |
会社法、会社法施行規則の規定内容 |
事業報告 | 会社法、会社法施行規則・会社計算規則の規定内容、有価証券報告書との相違 | |
連結計算書類 | 会社法、会社計算規則の規定内容、有価証券報告書との相違、各数値の計算方法・整合性、表示に関する計算問題 | |
計算書類等 | 会社法、会社計算規則の規定内容、有価証券報告書との相違、各数値の計算方法・整合性、表示に関する計算問題 |
(新版における主な改訂内容)
★1:次世代EDINET稼働、有価証券報告書の全文XBRL化等に対応
★2:決算短信の「取引所が一律に記載を要請している事項」に「会計基準の選択に関する基本的な考え方」を追加する旨の決算短信作成要領の改訂に対応
★3:不明確な情報への機動的な注意喚起を行うための開示注意銘柄制度の改善に係る上場制度等の見直しに対応
★4:有価証券報告書の【役員の状況】で女性役員の数や比率を明示する開示府令の改正に対応
★5:退職給付会計基準の改正(連結財務諸表において「退職給付に係る資産」「退職給付に係る負債」「退職給付に係る調整累計額」を表示するとともに、会計方針において退職給付に係る会計処理の方法を記載、退職給付の注記の充実等) に対応
★6:特別目的会社の債務等の区分表示に関する連結財規の改正に対応
★7:(連結)株主資本等変動計算書の横形式化に対応
★8:単体開示の簡素化(財務諸表につき会社法計算書類を転用可能、区分掲記の重要性の基準値の緩和、単体注記や【主な資産及び負債の内容】等の簡素化等)への対応